競争で生き残るために重要な考え方

「No.1にならなくてもいい 元々特別なオンリーワン」

2002年に大ヒットした世界に一つだけの花の最も有名なフレーズです。

 

私はこのフレーズの良さが20歳頃まで理解できませんでした。

勉強や部活などを通じて競争に勝ち上がっていくことが人間の価値になると考えておりました。

実際、学校でも勉強やスポーツでは競争があって、勝つ人がいれば負ける人もいるし、就職であれば内定を貰える人もいれば志望する会社に入れない人もいるのが現実です。

社会に出ればもっともっと競争は激化します。会社に入れば昇進のポジションは限られていますし、個人で稼ごうにも同業者という強力なライバルがいます。(あえて競わないブルーオーシャン戦略というのもありますが。)

 

こういった競争下で生き残っていくために重要な考え方があります。

それは「H型思考」になります。

 

H型とは飛び抜けた縦線が左右に2本ありますが、これを自分の専門性や長所に置き換えて下さい。

例えば『ITの知識なら誰にも負けない』人と『ITの知識がそれなりにあって、営業が得意』な人どちらが強いでしょうか。おそらく後者でしょう。

その理由は2つあります。

1つ目は大体の人は敵わない存在がいるということです。現状自分が知る限りではNo.1かもしれませんが、それが関東エリア内だけでの場合、日本全国・世界と見渡したときにNo.1になれるでしょうか。99.9999999%の人はなれないでしょう。

その時「挫折」というものを経験し、これまで自分の支えだったものすなわちアイデンティティが崩されます。それに打ち勝って努力できる人はいいのですが、自分の武器に強い執着があった人こそ潰れてしまうのです。それが1つ目の理由です。

2つ目は環境や時代の変化です。今後ITが斜陽産業となり必要性がなくなったとき、ITの知識やスキルしかもっていなかった人はどうなってしまうでしょうか。それこそ「自分には存在価値がない」と考えてしまうかもしれません。環境や時代の変化というのは、世界中のほとんどの人がどうしようもできません。ましてや時代の変化の速い昨今、従来のやり方や知識が通用しなくなることはよくある話です。時代の変化に対応できる力こそ生き残る力といっても過言ではないでしょう。

 

上述の2つの理由を踏まえ、『ITの知識がそれなりにあって、営業が得意』という人の場合はどうでしょう。ITの知識が勝てないと思っても「自分には営業のスキルが残っている」という自負があれば簡単に潰れることはありませんし、IT需要がなくなっても営業畑で勝負していけるのです。

また、ここから先が最も重要なのですが、IT×営業という組合せで勝負できるということです。

例えばITの知識と営業のスキルがそれぞれ100人に1人の力を有していたとします。そうすると100×100の1万人に1人の存在になれるのです。

この組合せこそ大袈裟に言えば「イノベーション」であり、冒頭の話に戻りますが「オンリーワン」として活躍する第一歩なのです。

これがIT、営業、財務、音楽の知識やスキルをもっていた時、何人に1人の存在になれるでしょうか。

 

これは一例ではありますが、一般的に1000時間取り組めばその領域で100人に1人の存在になれると言われています。1つの目安として、100人に1人のスキルを皆様は何個もっていますか?

またこれまで1000時間かけて積み上げてきたことはいくつありますか?

生まれてきてから1000時間費やしてきたものって意外とあるんではないでしょうか。

 

それが「オンリーワン」であって、またそのオンリーワンを自分で理解し、正しいフィールドで勝負できている人が生き残っていくのではないでしょうか。